放射線の話

放射線と放射能

 放射線と放射能の関係は、光と電球に例えることができます。 放射能は、電球でいう光を出す能力、放射線を出す能力で、放射線は、出てきた光そのものに相当します。


桁の話

単位によく登場する、m(ミリ)、μ(マイクロ)などについて

n (ナノ) 1E-9 1,000,000,000分の1
μ (マイクロ) 1E-6 1,000,000分の1
m (ミリ) 1E-3 1,000分の1
K (キロ) 1E+3 1,000倍
M (メガ) 1E+6 1,000,000倍
G (ギガ) 1E+9 1,000,000,000倍


放射線に関連する単位

ここでは、放射線安全に関連する単位について説明します。

  1. 放射能の単位;Bq(ベクレル)、Ci(キュリー)
     どちらも放射線の発見をした有名な科学者の名前にちなんだものです。1ベクレルは1秒間に1回の割合で放射性崩壊がおこることを意味しています。放射性崩壊とは、放射性同位元素の原子核が放射線を放出して別の原子核に壊変することです。(10^10は、10の10乗を意味する。)

    1Ci = 3.7 × 10^10Bq

  2. 吸収線量の単位;Gy(グレイ)、rad(ラド)
     放射線が物質と相互作用した結果、物質に吸収されたエネルギーの割合を表す単位です。

    1Gy = 1J/kg = 100rad

  3. 線量当量の単位;Sv(シーベルト)、rem(レム)
     人体に与える影響についての指標です。吸収線量が同じでも放射線の種類や被曝した臓器・器官によってその生物学的影響は異なります。この単位は、放射線防護の目的から放射線の人体に対する影響の程度を表すよう考えられた単位です。

    1Sv = 100rem

  4. その他 照射線量の単位;R(レントゲン)
     エックス線やガンマ線が或る場所の空気を電離する量の単位です。1Rのエックス線、ガンマ線が1gの空気中でつくるイオン対の数は、 1.61 × 10^12(イオン対/g)です。吸収線量との間には、以下のような関係があります。

    1R = 0.87rad = 8.7mGy

放射線いろいろ


制動エックス線 電子や陽電子などが原子核の近くで大きな力を受けたときに放出される電磁波
ガンマ線 原子核の中の核子のエネルギー状態の変化にともなって放出される電磁波
中性子線 主に原子炉や加速器で核分裂や核融合などの原子核反応からつくられる中性子
アルファ線 原子核から放出されるヘリウム原子核
ベータ線 原子核から放出される電子でマイナスの電荷を持つ

これらの他にも、陽子線などの放射線があります。

放射線の透過力

 放射線は、種類によって物を通り抜ける力が違いますが、それぞれ異なる物質で効果的にさえぎる(遮蔽)ことができます。透過力が強いガンマ線やエックス線は、鉛や鉄の厚い板で止めることができます。 同じように透過力の強い中性子線は、水素を含む物質、例えば水やコンクリートで効果的に止めることができます。


身のまわりの放射線


自然放射線と人工放射線

 皆さんは自然放射線と人工放射線とでは、人体に与える影響が違うとお考えではないですか。

 自然放射線も人工放射線も中身はベータ線、ガンマ線、中性子線などであり、「人工だから危険」「自然だから安全」 ということはありません。

 あくまでも放射線を受ける量の大小で人体への影響を考える必要があります。

放射線の人体への影響

 放射線をあびた本人に影響が現れる身体的影響と、その人の子孫に影響が現れる遺伝的影響とがあります。 また、身体的影響は急性効果晩発効果に分けられます。

 身体的影響のうちの急性効果は、一度に大量の放射線を被曝した後数週間以内に現れてきます。 250ミリシーベルト以下では影響はありません。

 晩発効果は、被曝後しばらく症状の現れない潜伏期間があるものを指します。 代表的なものに、ガンや白内障、寿命短縮があります。

 影響は、被曝の量と関係があります。最近の研究で、「放射線はどんなに微量でも毒」ではなくて 「放射線は少しなら心配無用」とわかってきました。 (このことについては、ぜひ「人は放射線になぜ弱いか 第3版 少しの放射線は心配無用、近藤宗平 著、 ブルーバックス」をお読み下さい。)

 人類を含む生物はみな、古くから自然の放射線に囲まれて生存してきました。